印象コントロールの最も重要な視点は「相手がどのように感じるか」というポイントです。自分が身につけたいものを身につけるのではなく、コミュニケーションの相手、コミュニケーションのゴールを考え、自分自身を俯瞰してイメージできるかどうかは第一印象のみならず、今後、自分以外の視点を備えていく上でとても大事です。

相手の視線を意識しながら
リーダーとして印象をつくる

 リーダーの印象づくりのために必要なポイントは2つあります。

(1)自分がどう見られているのかを知る

 まずは、自分を客観的に見つめ直すところからスタートです。日ごろから「○○さんって、はじめは怖そうだなと思っていました」など、印象に関するフィードバックをもらったらそれを集めておきましょう。特にそういうものがない場合は、自分の部下や周囲の人に自分の印象についてそれとなく「異動で私が来た時、どんな感じだと思った?」なんてたずねてみるのもよいでしょう。

(2)自分がどうありたいかを決める

 リーダーとしてのあるべき姿に正解があるわけではありません。自分が部下や周囲の人からどう見られたいのかを定義します。人によっては「顔がきつくて威圧的に見られやすいから、もう少しやわらかい印象にしたい」と考える人もいれば、「気弱で、優しそうな印象のせいでなめられがちなので、もう少しキリッとさせたい」と考える人もいるでしょう。

 自分がどう見せたいのかが決まれば、見た目、話し方、言葉などによって印象をコントロールすることができるようになります。私は仕事でもプライベートでも、「今日、自分はなぜこの服装をしているのか」を意識して服装を選んでいます。そうすることで、目的が明確に定まります。

会う人の年齢やシチュエーションに
合わせて服装も変えていく

 たとえば同年代以上の権威のある男性と仕事で会う際には、服装にコントラストをつけ、光沢のある生地のものを選び、キリッと凛とした女性を演出します。そうすると、「この人の話は聞く価値がある」と思ってもらいやすいからです。

 一方で、20代の若い人を対象とした研修を行なう時には、コントラストを抑え、参加者と寄り添えるような同系色でコーディネートしています。カチッとさせすぎると「この先生は怖そうだな」と、威圧感が漂ってしまうからです。

 ただしコーディネートの中にも私らしさをワンポイントで入れて、「工夫しているな」「独自性があるな」と思わせることは忘れません。研修内容としても意識しているテーマなので、仕事とリンクするように考えています。