胃もたれ、膨満感、みぞおちの痛み…
「つらいかどうか」がポイント

「日本では2013年に保険診療名になりました。機能性ディスペプシアは、日本の現代人では10人に1人が罹患しているともいわれている、ストレスが原因であることの多い病気です。13年より前は、慢性胃炎などと診断されていた病気ですね」

 機能性ディスペプシアは、内臓が知覚過敏になり胃がふくらんだ時の状態に過敏になることや、胃のぜん動運動が弱くなり消化管の動きが停滞することで、次のような症状が引き起こされる。

・食後のもたれ感
・早期膨満感(少し食べただけでおなかがいっぱいになったと感じ、食べられなくなる)
・みぞおち部の痛み
・みぞおち部の灼熱感

 どれも、その症状によって「つらいと感じるかどうか」がポイントだ。

「機能性ディスペプシアと診断される基準は、上記のような症状が6カ月以上前に始まり、直近3カ月以上続いていることです」

 胃もたれや胸やけなどを引き起こす暴飲暴食やピロリ菌感染なども原因となることがあるが、精神的なストレスが原因の一つであると考えられている。

「このため、胃の不調を感じていても悪い結果が出るのではないかと思ってなかなか受診しなかった人が、内視鏡検査を受けて異常が発見されなかったと分かると、とたんに症状が改善する場合もあります。もちろん、そのようなケースばかりではないのですが、検査結果が悪いのではないかという疑心暗鬼が症状を引き起こすのです」

 まさに、「病は気から」ということだろう。