中高年が気をつけたい胃の病気
予防の筆頭はストレスをためないこと
機能性ディスペプシアと診断されると、1次治療で酸分泌阻害薬、消化管運動機能改善薬、漢方薬(六君子湯)などが処方され、その効果が乏しければ2次治療として抗不安薬や種類の異なる運動機能改善薬、漢方などが処方される。
「内視鏡検査で胃の粘膜の荒れなどが発見され、ピロリ菌感染が疑われる場合には、除菌治療が行われます。それで症状が改善する場合は、ピロリ関連機能性ディスペプシアとされ、厳密には機能性ディスペプシアとは分けられます」
ピロリ菌が原因の慢性胃炎や胃がん、胃・十二指腸潰瘍などは、中高年になると気をつけたい胃の病気の代表的なものだ。
「それ以外にも食道がんや膵がん、慢性膵炎や慢性胆嚢炎、逆流性食道炎などにも気をつける必要があります。胃など消化器の不調を感じたら、まずは医師の診察を受けることです。超音波(エコー)や内視鏡で検査をすれば、どんな病気なのかがはっきりします。異常が発見されない場合は、機能性ディスペプシアである可能性が高い。適切な処置によって、症状は次第に治っていくでしょう」
機能性ディスペプシアばかりでなく、胃の不調を予防するためにはどうすればよいのだろうか。
「予防法の筆頭は、ストレスをため込まないこと。適度な運動でストレスを発散しましょう。また、脂肪分の多い食事を控える、カフェインの摂取や喫煙を控える、十分な睡眠を取るように心がけることも必要です」
くよくよ考えずに、時には「なるようになる」と割り切ることも必要なのかもしれない。
(監修/三科医院副院長 三科友二)