それって、どうやって判断していますか? そう、「見て」判断しています。これが「当たり前」にできない人が増えています。
当たり前にできていたときと、今では、何が違うのでしょう。それは、ひとつには「スマホ」が原因ではないか、と私は考えています。
どこでも、どんなときも、視線の先にはスマホがあるのが当たり前です。座ったらスマホ、荷物降ろしたらスマホ、会話が途切れたらスマホ。「スマホ以前」だったら当然見ていたはずの時間、見る機会が減ってきているのです。
何を見なくなったのか? そのとき一緒にいる人を見なくなりました。スマホを見ている時間は、一緒にいても、それぞれ別の体験をしているということです。子どもたちからしてみれば、スマホにパパやママの視線が奪われているわけです。
この「見る」ということを、最先端の心理学といわれるNLP心理学では、「キャリブレーション(観察)」と言っています。
「見る」は、立派なコミュニケーションのスキルなんです。どんな役に立つかというと、「相手との関係性をつくる」ということに効果的に働くスキルです。
子どもに「ちゃんと見ているよ」が伝わる姿勢をつくる
コーチング講座のなかで、受講生のみなさんに「見る」(観察する)スキルをお伝えするときには、こんなふうにお伝えしています。
まず、体の向きです。相手に分かるように、相手のほうへ体を向けます。
顔の向きははっきりと相手に向けます。目線だけ動かすのはNGです。相手の目のあたり(眉と眉のあいだ)にまなざしを向けます。凝視したりジロジロ見るのではなく、少しぼんやり見てください。
身体全体や、顔をしっかり動かして、相手を見るのは、相手に「見ていますよ」というメッセージを送るためです。同時に相手の話を聴く準備ができたことを知らせるサインになります。
「見る」(観察する)のは、「相手の変化」です。表情や顔色、呼吸の速さや、身振り手振り、足や手を組んだりといった姿勢の変化に気づきましょう。口調や声の大きさ、話すスピード、声のトーンも、観察してください。