そういう「経営再建プロセス」にまでこぎつけなれば、株主も静かになるし、スポンサー企業も各自の判断で戻ってくることができる。
不祥事企業はどうしても、世間から叩かれることに対して「防御」しようとする。そこで組織内論理や業界内だけしか通用しない慣習などをゴリ押しするのだが、一般人の感覚とズレているので、そういう対応をすればするほど炎上する。
テレビや芸能の世界はもともと「非常識」だ。社会と異なる価値観や発想だからこそ成功するという側面もあったが、もはやそういう時代ではない。
港社長をはじめフジテレビの経営幹部や、危機管理を担当している方たちは、まず「我々ギョーカイ人の感覚は世間とズレている」という大前提に立って、これからの対応に臨んでいただきたい。
(ノンフィクションライター 窪田順生)