日本は経済成長「世界最下位」脱出なるか、今こそ目指すべき「成長と債務管理」の両立Photo:PIXTA

25年間の名目GDP増加率
日本は178番目のビリ

 1997年から2022年までの25年間に、日本の名目GDP(ドルベース)は、178カ国中、唯一減少した(0.95倍)。つまり178番目のビリである。同じ期間に世界全体は3.16倍、米国は3.03倍、中国は18.63倍を記録した。経済において、日本はどんどん軽んじられるようになってきたように思える。

 日本経済の問題は、経済成長の停滞で税収が拡大しない一方、社会保障を中心として歳出が増加し、結果として財政状況が脆弱になってきたことにある。

 内閣府の試算によると、財政健全化が経済成長で達成されるためには、名目GDPが3%のペースで成長することが必要とされる。しかし、1992年以降の30年間で、名目GDPが3%以上の成長を示したのは、消費増税によってかさ上げされた2015年を除いて一度もない。

 これでは、経済成長によって財政健全化という図式はありえないことに思えてくる。そして、それでも財政の悪化を食い止めようとすると、増税、社会保険料の引き上げはやむを得ないことになる。しかし、増税、社会保険料の引き上げは、多少なりとも経済成長の抑制に働いた。悪循環である。