「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。
ゴール達成の手順を書き出す
仕事の依頼に対して、最終的なゴールと成果物のイメージ、および、期日が明確になったとします。
次のステップは「道筋をつける」です。
道筋をつけるとは、ゴール達成の手順=TODOを洗い出すということです。
ここでTODOを洗い出すうえで大事なポイントをお伝えします。
1:TODOに漏れがないか確認する
2:TODOを見てそのまま実行できるかどうか確認する
3:必要に応じて、さらに細かいTODOに落とし込む
簡単な仕事(=過去に経験のある仕事)であれば、誰でも簡単にTODOを洗い出すことができます。
一方で経験のない仕事では、TODOを洗い出す難易度が高くなるのは明らかです。
「来年度の新卒採用プランを考えてほしい」という依頼に対して、一緒にTODOを洗い出してみましょう。
・依頼
来年度の新卒採用プランを考えてほしい
・今回の作業内容のゴールとやり方
当社の採用活動において必要な項目の素案を自分でつくり、清書した資料を加藤部長に6月30日までに提出すること。
資料に必要な項目は、予算、人数、採用媒体、スケジュール、採用サイトの改修イメージ、選考フローの流れ、現場の採用担当の決定まで。
佐藤課長作成の「昨年度の採用プラン」を踏襲して作成。雛形をフォーマットとして使用していい。
2週間に1度、加藤部長に成果物の進捗状況を確認してもらう。
上司からの依頼と、作業内容のゴール、進め方はすでに握れています。
ここから、具体的なTODOを洗い出していきましょう。たとえば、こんなふうにTODOを出すことができます。
・具体的なTODOの流れ
・採用プランの雛形に必要項目を入れる
・加藤部長に確認をしてもらう
・最終化する
さあ、これでTODOを洗い出すことができました! とっても簡単ですね。
……とはいかないのがTODOの難しさです。
自分が過去に経験した仕事であれば、この程度の分解でも「何をするべきか」頭の中でイメージができるかもしれません。
しかし、そうではない場合、本当に「道筋をつける=ゴール達成の手順を洗い出す」ことができたと言えるでしょうか?
ここで、さきほどあげた3つの観点を基にTODOをチェックしていきましょう。
1:TODOに漏れがないか確認する
必要項目を入れ、確認してもらって最終化すればTODOは達成したと言えます。
この点では問題なさそうです。
2:TODOを見てそのまま実行できるかどうか確認する
問題は、そのまま実行できるかどうかです。
もしかすると、以下のような悩みが浮かび上がってくるかもしれません。
・そもそも昨年度の採用プランの雛形を入手していない
・予算の考え方がわからない。前回と同じでよいのか?
・採用人数は翌年度の中期経営計画を知らないと設定できないのでは?
・採用媒体にはどんなものがあるか、調べる必要がある
・スケジュールは採用媒体によって変わるかもしれないが、わからない
・採用サイトは誰が改修しているのか? 外注か? 担当者が不明
・現場の採用担当はどうやって決めていたのか?
・採用基準はどうするか?
……などなど。
TODOに漏れがないように見えても、いざ実行してみようと思うと、何から手を付けていいかわからず、止まってしまう。
このような状態になって悩んだ経験は、誰にでもあると思います。
やることはわかっているつもりなのに、なかなか実行に移せない。
一緒に、この問題を解決していきましょう。
ここで登場する3つ目のポイントが、
3:必要に応じて、さらに細かいTODOに落とし込む
です。
TODOを実行するために、頭の中に浮かんだ「不明な点」をまずは洗い出しましょう。
不明点を書き起こしてから、「何をすれば解決できるか」をその下に書いていきます。
・そもそも昨年度の採用プランの雛形を入手していない
→佐藤課長に昨年度の雛形を送ってもらうようメールする
・予算の考え方がわからない。前回と同じでよいのか?
→佐藤課長に「昨年度の予算をどのような基準で作ったか」ヒアリングをする
→ヒアリング結果をまとめ、加藤部長に「予算の考え方は昨年度と同じでよいか」確認をする
・採用人数は翌年度の中期経営計画を知らないと設定できないのでは?
→そもそも採用人数は昨年度を踏襲してもよいのか、それとも、自分で考えるべきなのか、改めて確認をする
→今年度の各部署の離職数を把握し、不足人員数の情報を加藤部長に共有する
・採用媒体にはどんなものがあるか、調べる必要がある
→過去の採用媒体(XX社、YY社媒体)を使っていた採用リーダーの田中さんに「他に過去に検討した採用媒体がないか」、また「その媒体を選定しなかった理由」を確認する
→採用媒体の営業担当者を田中さんに教えてもらい、打ち合わせを設定する
・スケジュールは採用媒体によって変わるかもしれないが、わからない
→打ち合わせの際に、営業担当者から「採用サイトの改修にどのくらい時間がかかるか」を確認する
・採用サイトは誰が改修しているのか? 外注か? 担当者が不明
→採用サイトの社内主担当者を田中さんに確認する
・現場の採用担当はどうやって決めていたのか? 採用基準はどうするか?
→昨年度の現場の採用担当の選考基準と、「どの選考フローで現場メンバーに面接のお願いをしているか」を確認する
→過去に依頼したメンバーの一覧があれば共有してもらう。なければ一覧表を作成する
いかがでしたでしょうか?
「採用プランの雛形に必要項目を入れる」という1つのTODOも、ここまで細かく多くのTODOに分解できます。この状態にできれば、そのまま実行が可能です。
このように、未経験のTODOを実行するためには、実際に自分が行動できるレベルまで具体的にTODOを洗い出すことが非常に大切です。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)