
今回は、従業員が高給取りで有名なキーエンスを取り上げる。同社の中で、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#29では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、同社は若手世代が優位となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
3大商社を年収で凌駕するキーエンス
その中でも得をしている世代は?
従業員が高給取りで有名な会社といえば、キーエンスである。実際、どれほど待遇が良いのか。同じく年収が高いイメージの強い3大商社と比較してみよう。
平均年収で序列化すると、三菱商事が2091.0万円でトップ。キーエンスは2067.1万円とわずかに及ばなかったが、三井物産(1899.9万円)、伊藤忠商事(1753.6万円)には大きな差をつけている。
しかし、4社の平均年齢まで確認すると、風景ががらりと変わってしまう。上記の平均年収に対応する平均年齢は、三菱商事が42.7歳、三井物産が42.3歳、伊藤忠商事が42.3歳と3大商社はほぼ同じだが、キーエンスは何と35.2歳なのだ。
年齢差を踏まえれば、実質的にキーエンスは3大商社を年収で凌駕しているといってよいだろう。
ただ、これは直近の一時点の年収序列だ。現在注目されている世代間格差の観点に立つと、キーエンスの状況はどうなっているのだろうか。
同社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算の結果、同社は若手世代が優位となった。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。