氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較! 主要100社の「20年間年収推移」#23Photo:Dukas/gettyimages

今回は不動産の主要4社を取り上げる。三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産ホールディングス(HD)、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#23では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、各社とも若手社員が勝ち組となった。さらに東急不動産HDは年配の社員も恵まれていた。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

財閥系3社の序列に変化
住友不動産が2位に定着?

 足元で、財閥系の不動産3社に序列の変化が起きようとしている。2024年3月期で、ほぼ万年業界3位だった住友不動産が、最終利益で三菱地所を抜き、2位に躍り出た(トップは三井不動産)。そして25年3月期も住友不動産は2位の座を守れそうなのだ。

 詳細は『【25年の不動産業界】三菱地所が「序列3位に完全陥落」危機!住友不動産から2位を奪還するシナリオとは?』を見てほしいが、総合力とビジネスモデルの違いから、住友不動産が2位に定着する可能性が高まっている。

 企業のもうけの力で逆転劇が起きているのは興味深いが、今回の記事では従業員の平均年収を焦点にする。扱うのは財閥系3社に加え、東急不動産ホールディングス(HD)も含めた主要4社だ。現在注目されている世代間格差の観点に立つと、4社はどうなっているのだろうか。

 各社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、各社とも若手社員が勝ち組となった。さらに東急不動産HDは年配の社員も恵まれていた。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。

 なお、住友不動産に関しては、『住友不動産の世代別年収を初公開!【管理職&営業職】部長級なら40代で3000万円超も、シビアな成果主義』という記事の中で、試算値ではなく、これまで明かされたことのない同社内の貴重なデータを公開している。併せてチェックしてほしい。