
今回は東レと帝人を取り上げる。両社の中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#27では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、東レは若手社員が優位となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
平均年収が僅差の東レと帝人
平均年齢を考えれば東レ優位か
東レが昨年11月、キャンペーンガールの起用終了を発表した。水着向け素材などの販売促進のため1981年から続けてきたが、事業を世界展開する中で国内中心のキャンペーンガールの広告効果は薄れていたのだ。
同年同月、ユニチカも東レに続いて、キャンペーンガールの起用終了を明らかにした。ユニチカはその後、不振の繊維事業から撤退することも発表している。
ちなみに同じく繊維大手の帝人がキャンペーンガールをやめたのは、2003年で両社よりもずっと前だった。
さて、今回の記事は、東レと帝人の社員の平均年収にフォーカスする。両社の現在の年収は、東レが平均年齢40.7歳で765.1万円、帝人が同45.8歳で769.0万円となっている。年齢を考慮すれば、東レ社員の方が高給をもらっているといえそうだ。
ただ、これは直近の一時点だ。現在注目されている世代間格差の観点に立つと、両社の状況はどうなっているのだろうか。
東レ、帝人の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算の結果、東レは若手社員が優位となった。一方、帝人はOBが恵まれていた。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。