氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」#17Photo:JIJI,AFLO

AI関連施設の増加がけん引し、将来の電力需要見通しが好転している。今回は東京電力ホールディングス、関西電力、中部電力、九州電力、東京ガス、大阪ガスを取り上げる。6社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#17では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。大手電力は4社ともOB世代が優勢となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

将来の電力需要見通しが好転
AI関連の施設の増加がけん引

 電力会社の将来の収益と、そこで働く従業員の給与水準は、今後の電力需要の動向によって左右される。近年、省エネ機器の普及や人口の減少が進んでいることから、先行きは暗いと考えられていた。しかし、足元で電力需要の見通しが好転しつつあるのだ。

 将来の需要の伸びをけん引するのは、データセンターや半導体工場などのAI関連の施設の増加である。

 電力広域的運営推進機関は、毎年1月に電力大手10社が示す10年先までの電力の需要予測を集計して公表している。今年の1月下旬の発表では、2034年度の電力消費量が24年度比で6.2%増加する見通しが示された。電力業界で働く従業員にとっては、明るいニュースである。

 さて今回は、東京電力ホールディングス、関西電力、中部電力、九州電力、東京ガス、大阪ガスを取り上げる。6社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、大手電力は4社ともOB世代が優勢となった。一方、東京ガスは現役世代が勝ち組となっている。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。