三井物産、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事の年収「得をした世代」は?4社とも若手世代が優勢【5世代20年間の推移を独自試算】Photo by Shuhei Inomata

伊藤忠商事が年収1割アップを表明した。財閥系二大商社である三菱商事、三井物産の年収水準に近づくことは確実である。今回は三井物産、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事を取り上げる。4社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#16では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。大手商社は4社とも、若手世代が優勢となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

伊藤忠商事が年収1割アップを表明
三菱商事、三井物産の水準に近づく

 伊藤忠商事が1月上旬、2025年3月期の連結純利益目標である8800億円を達成した場合、社員の来年度の平均年収を約10%引き上げると発表した。

 24年4~12月期の段階で、連結純利益は7498億円に達している。進捗率は既に85.2%であり、残り3カ月で目標に到達する可能性は高い。

 ちなみに、伊藤忠商事の昨年度の平均年収は1753.6万円だった。10%引き上げのベースとなる今年度の平均年収は未公表だが、三菱商事(昨年度2091.0万円)や三井物産(同1899.9万円)の水準に近づくことは確実である。

 さて今回は、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事を取り上げる。4社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、大手商社は4社とも、若手世代が優勢となった。また、専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。