
今回は小売業の主要4社を取り上げる。セブン&アイ・ホールディングス、イオン、ファーストリテイリング、ニトリホールディングスの中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#22では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。すると、セブン&アイは年配社員、イオンは若手が勝ち組という結果になった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
退任するセブン井阪氏はトップながら
年収が格下の外国人の20分の1未満
今回は小売業の主要4社を取り上げる。セブン&アイ・ホールディングス、イオン、ファーストリテイリング、ニトリホールディングスが対象だ。
4社の中で現在、最も耳目を引いている企業はカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けているセブン&アイだろう。3月3日には2016年からトップを務めている井阪隆一社長が、退任の方向で最終的な調整を進めていることが判明した。
株価の低迷を招いたことにより、外資の傘下になりかけている事実は井阪氏の経営手腕のまずさを物語る。だが、同氏の年収は3.41億円だ。現在の状況を見れば高過ぎるようにしか思えないが、セブン&アイの中で井阪氏のはるか上を行く人物がいるのだ。
それは取締役専務執行役員のジョセフ・マイケル・デピント氏で、金額は実に77.32億円。井阪氏の年収は、社内で格下の外国人取締役のわずか20分の1未満の水準なのだ(詳細は『【小売り&外食63人】1億円以上稼ぐ取締役・実名年収ランキング!トップは77億円…セブン、ユニクロ、ヤマダ、マクドナルド、ゼンショーの役員はいくらもらってる?』参照)。
セブン&アイの幹部のいびつな年収は非常に興味深いが、今回の記事では従業員の平均年収に焦点を当てる。扱うのは同社にとどまらない。現在注目されている世代間格差の観点に立つと、小売業の主要4社はどうなっているのだろうか。
各社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算を行うと、セブン&アイは年配社員、イオンは若手が勝ち組という結果になった。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。