「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが好調だ。2024年8月期も最高益更新を見込み、同社の株価は今年に入ってから上場来高値の更新を続けている。一方で、投資時には要注意。日経平均株価における構成比率が高く、市場の思惑で乱高下する場面も少なくないからだ。特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#8では、そんな裏事情について、今後の有望度と併せて解説する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
急成長ファストリの株価を巡る
「日経平均絡み」の裏事情とは?
「世界でもまれに見る、素晴らしいラージキャップ(大型株)銘柄」。JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは、衣料品店「ユニクロ」を運営する巨大アパレル企業のファーストリテイリングをこのように評する。
何しろ、業績拡大とともに、ファストリの株価は今世紀初頭の20年前と比べて約40倍の水準に上昇した。2001年に初の国外店舗を英ロンドンに出店して以降、海外展開を加速しながら日本を代表するグローバル企業に成長(下図参照)。昨年4月には、柳井正会長兼社長が「5年後に売上高5兆円を目指す」という意欲的目標を掲げるに至っている。
海外がけん引しながら業績を着実に伸ばし、本特集#3『新NISAで狙いたい「大型成長株」ランキング!【全50社】3位レーザーテック、1位は?』では8位に入った。そんな成長期待の高い銘柄だが、投資を考える際には注意点もある。それは、日経平均株価の変動への寄与度が高いが故、指数算出上のルール改定などを見越した思惑などに、しばしば業績とは無関係に値動きが振り回されることだ。
実は、日経平均の算出ルールを巡っては、年内にも重要なイベントが待ち受けている。その影響も含め、つまるところ、ファストリ株は「買える」銘柄なのか――。次ページでは、同社株を巡る「日経平均絡み」の裏事情を深掘りするのと併せ、ファストリ株の有望性について分析していく。