30年ぶりに会って「お互い好きだった」女性との関係は?

――30年来の女性の友人との再会についてはどうでしょう?

 分かりますよ。久しぶりに会って、お互いに「本当は好きだったんだ」なんて言われたら、そりゃあ舞い上がっちゃう気持ちは分かります。でも、今のタイミングでのその出会いは、非常に危険ですよね。最近では「セカンドパートナー」という概念もありますが、この場合は違いますから。

 まずは目の前の問題に向き合う必要がありますよね。奥さんとの関係修復をまずは頑張らなくちゃ。久しぶりの再会で一時的に気持ちが高揚するのと、奥さんとの20年を比べたら可哀想ですよ。

――まずは、奥さんとの関係修復を頑張りましょうということですね。

 そう、まずはそっちから。奥さんのほうが先に離婚を言い出すかもしれませんよ。そうしたらそこから新しい恋愛について考えてもいいかもしれないですけどね。

――最後に、この相談者へのアドバイスをお願いします。

 はい。まず認識していただきたいのは、奥さんの言葉は決して単なる不平不満ではなく、深刻なSOSだということ。そこには、長年の思いが詰まっています。そして、まだ言葉で表現してくれているうちは、関係を修復するチャンスがあるんです。

 具体的には、奥さんの話をしっかり聞いて、小さなことでもいいから、その願いを実現させていく。それが第一歩です。そして何より大切なのは、20年という歳月を共に歩んできた感謝と労いの気持ちを持つこと。それがなければ、どんな解決策もうまくいかないでしょう。

 30年来の女性との再会は、確かに心が揺れるできごとかもしれません。でも、今一番大切なのは、目の前のパートナーとの関係を見つめ直すことです。その上で、もし本当に価値観の違いが埋められないということになれば、その時改めて人生の選択を考えればいい。今は、妻からのメッセージにしっかりと向き合う時ですよ。

岡野あつこ

1978年 立命館大学卒(専攻:職業心理学)、2009年 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科卒(MBA取得)。結婚・出産後、専業主婦になるものの、夫の浮気により36歳で慰謝料ゼロで離婚。1991年に結婚・離婚・再婚相談事業を行う事業を開始する。34年間のカウンセリングにおいて、4万件近くの夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。2200人を超える卒業生を輩出している。