![韓国179人死亡事故はなぜ起きた?LCCコスト競争と「大赤字」地方空港の闇](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/650/img_d1a26d1782c0752e798025792246c5fa279154.jpg)
2024年12月29日、韓国の務安国際空港で179人もの乗客・乗員が亡くなる痛ましい事故が起きた。年が明けて1月27日、事故原因調査の予備報告書が公表されたものの、調査は継続されることになり真相究明には至っていない。韓国の航空業界が抱える問題について整理した。(ライター 前林広樹)
韓国179人死亡事故はなぜ起きたのか
LCC競争と「大赤字」地方空港の闇
仁川国際空港という巨大ハブ空港を持ち、アジアの航空マーケットにおいて高いプレゼンスを誇る韓国の航空業界。大韓航空とアシアナ航空の2大エアラインの統合が決まり、国際線ネットワークがますます拡大することが予想されている。
日本でいえばANAとJALが合併するようなもので、国際競争力の高い巨大会社の誕生に期待が集まる一方、国内ではLCC(格安航空)の過当競争や、作り過ぎた地方空港の大赤字など問題点も数多く指摘されている。
2024年12月29日には、務安国際空港でチェジュ航空が着陸に失敗し、179名もの犠牲者を出した。チェジュ航空は日本路線も多いだけに、安全面で不安を覚えた人は多いだろう。韓国の航空業界が抱える問題点とは何か。大別すると以下のテーマに整理できる。順に解説していこう。
(1)LCCは9社が乱立し過当競争!整備コスト削り安全面で懸念
(2)179人死亡事故で問題視、務安は「赤字最多」空港だった!
(3)大韓航空とアシアナ航空が合併!懸念されるJALとJASの「二の舞」
(4)独立系LCCは生き残れる?再編でフルサービスに転換の「奥の手」