しかし、これらは本当によくない動きなのでしょうか。結論から言えばよくないのですが、事はそれほど単純ではありません。
トランプ大統領はXにいろいろと極端な話をポストする傾向があり、その主張はしばしばフェイクだとして周囲から噛みつかれます。明らかな間違いもよくあるのですが、必ずしもトランプ氏が間違っているとはいえない主張も見られます。
日本ではあまり報道されていませんが、トランプ政権の政府効率化省トップに任命されたイーロン・マスク氏が連邦政府機関である国際開発局(USAID)の閉鎖を表明して大混乱が起きています。
情報には表と裏があることをトランプ大統領は暴こうとしています。今回、トランプ大統領の支持者が怪気炎を上げているひとつの背景が、USAID閉鎖にともないこれまで陰謀論とされてきた情報に政権のメスが入ろうとしていることにあります。
そして脱プラにも表と裏の情報があります。ストローやレジ袋について脱プラスチックを目指すのはいい話ではあるのですが、実は脱炭素効果としては不十分です。
本当は小売流通業界で脱炭素で排出量を50%削減するのであれば、レジ袋からスタートして、精肉や鮮魚のトレイや、総菜弁当の容器などどんどん脱プラを進めていかなければ目標に届かないことがわかっています。
でもそれはやってこなかった。シンボリックにレジ袋やストローのように目立つところで、マイバッグ化や紙ストロー化を推進して産業界はSDGsを宣伝してきました。
現在、紙ストローには消費者から使いにくいという声が上がっていて、その課題を解決するためにバイオマスストローへの転換が提唱されています。本当ならここでおかしいと気づくべきです。
紙ストローがバイオマスストローへ置き換わっても脱炭素はほとんど進まない。それも大事なのかもしれませんが、優先して実行すべきことは他の脱プラです。