「毎朝1分間、日記にたった2つのことを書くだけで人生が激変する」。そう提唱するのは、コーチングスクール「ホリシニクスアカデミー」の学長で、1分朝活グループを主宰する三宅裕之氏だ。その2つのこととは、前日にあった「グッド」と今日やりたい「チャレンジ」のこと。三宅氏の著書『奇跡が起きる 毎朝1分日記』では、さらにこの日記を活用したダイエット方法や不安や悩みの解消の仕方まで紹介している。本記事では、本書の内容をもとに、毎朝1分日記の効果や活用法を解説する。(文/神代裕子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

毎朝書くのは「グッド」と「チャレンジ」
三宅氏が提唱する「毎朝1分日記」とは、非常にシンプルで、誰にでも伝えやすい取り組みになっている。
毎朝、1分間で書くのは次のようなことだ。
「今日はこんないいことがあった、感謝をした、こんな新しいことに気づいた」
「今日はこんなことに挑戦したい、こんなことを変えたい」
毎朝、それを書くだけでいいのです。(P.2)
では、なぜこの2つのことを毎朝日記に書く必要があるのだろうか。
まず、前日にあったよかったことや感謝したことなど(「グッド」)を書く理由は、日記に書くために、小さないいことにも目を向けるようになるからだ。
三宅氏は、次のように語る。
一方、今日挑戦したいこと、変えたいこと(「チャレンジ」)は、「今日はこれに挑戦するぞ、これを変えるぞ」という決意表明だ。
そして、チャレンジに書くことは本当に小さいことで構わないという。
「グッド」と「チャレンジ」を書き出す効果とは
三宅氏は、こういったことを日記に書くことが、「実際に現実世界のチャンスを引き寄せる」と語る。
その理由は心理学でいうところの「カラーバス効果」と同じだ。
カラーバス効果とは、目を閉じて、ある色を頭の中に強く思い浮かべてから、目を開けると、その色が目に飛び込んでくるという現象のことだ。
カラーバス効果と同じように、日々自分にとっての「グッド」と「チャレンジ」を書き留めることで、そのことを意識するようになる。
あとは、その気づいた小さなチャンスを逃さずに、ものにできるかどうかは自分次第というわけだ。
さまざまな可能性を引き出す毎朝1分日記
毎朝1分日記は、書くことは決まっている反面、自由度が高い側面もあるという。それは次のような点だ。
三宅氏がお勧めする活用法や実際に大きな変化が出た例をまとめてみよう。
●読んだ本から得た「グッド&チャレンジ」を書き留める
本を読んで「いいな」と思ったことを「グッド」に書き出し、それを「チャレンジ」として実際に取り組んでみる。
そうすることで、自分を成長させることができる。
●ダイエットに活用する
自分自身の体重や体型の変化を「グッド&チャレンジ」と捉え、日記に記録し続ける。その日の目標を定め、食べたものや運動内容を日々記録することで体重が劇的に変化する。
三宅氏がコーチとして関わった50代後半の男性は日記をつけ始めて約半年で「ベストボディジャパン」の大会で入賞した。
●スポーツで成果を出す
高校の女子バスケットボール部で全員が日記をつけるようになり、チームの成績が大きく伸び、急成長して全国大会出場を成し遂げた。
練習試合で勝ったとしても、ただ喜ぶだけではなく、日記で「どこがグッドだったのか」を振り返り、さらに「今日の練習でどんなチャレンジをするか」を真剣に考える選手とでは、成長度は当然変わってくる。
●子育ての悩みも解消
専業主婦から半年でコーチングスクールを立ち上げ、月商100万円を上げるようになった方がいる。
その方は、夫から否定されることが多く、その影響もあって、子どもや家族関係についても「自分がダメだから……」と後ろ向きな考えになりがちだった。
お子さんにもそれが伝わり、子どもたちも自分に自信が持てなくなっていた。しかし、毎朝1分日記をつけるようになってから、女性自身も子どもたちも次第に自分を肯定できるようになった。
このように、ただ「グッド&チャレンジ」を書くだけでなく、本から得た情報を実践する場にしたり、何か目標を定めて「グッド&チャレンジ」を書いたりすることで、さらに大きな成長を遂げることができるのだ。
毎日小さな1歩を積み重ね、遠くへ辿り着く
これらの事例からも、毎朝1分日記は、自分の興味関心や目標に合わせて、書く内容を変え、それに向かって良い方向に変化していけるものであることがよくわかる。
人生を変えるには、ものすごい努力や才能、チャンスが必要だと考えがちだ。
しかし、自分の夢や希望を叶えるために、今何にフォーカスして、それを実現するためにどのようなチャレンジをするのか。毎朝1分間考えるだけで、人生は大きく変わるということだ。
まったく何もしなくても、1日、1週間、1ヵ月と時は流れていく。
であれば、1日1歩でも、たとえ半歩程度の変化だったとしても、歩みを進めていけば1年後、2年後には自分が思うよりもずっと先に進んでいけるのではないだろうか。
何か変化が欲しい人は、明日から「毎朝1分日記」を始めてみてはいかがだろうか。