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トランプに翻弄されるメキシコ
昨年後半から進むペソ安
米国のトランプ大統領は2月1日、メキシコに対して25%の関税を課す大統領令に署名した。ただ、その後、トランプ大統領はメキシコのシェインバウム大統領と電話で会談し、メキシコへの関税発動を1カ月延期することを決定した。シェインバウム大統領はトランプ大統領との約45分間の電話協議で「良い会話」ができたと述べ、両国間で安全保障と貿易について合意に達したことを明らかにした。
いったんは落ち着きを見せつつあるとはいえ、メキシコはトランプ大統領によるディール外交にかなり翻弄されている。不法移民問題では第1次トランプ政権時以上の強硬姿勢が示されており、米国とメキシコの関係は厳しいものとなっている。
こうした状況を受けてメキシコペソは昨年後半から下落が進んだ。メキシコペソは昨年4月に対ドルで16.26ペソだったが、米大統領選が進む中で節目の20.00ペソを超え、トランプ氏が米大統領選に勝利した後は20.00-21.00ペソを中心としたレンジでの推移となった。
トランプ大統領がメキシコへの関税に署名したことで、メキシコペソは一時21.29ペソと2022年3月来のペソ安を付ける場面もあったが、その後すぐに20.00-21.00ペソレンジに戻している。