初導入のエンブラエルE190-E2
撤退した三菱MRJの代替って本当?

 今回の発表で注目されているのは、新型リージョナル機・エンブラエルE190-E2だ。国産初のジェット機として1兆円規模の開発費が投じられたものの、事業撤退に終わった三菱航空機のスペースジェット(旧称はMRJ)の代替となる。ANAにとっては初めてのエンブラエル導入だ。

ANAが過去最多77機、2兆円の飛行機を爆買い!「超攻め」のウラにある狙いとは三菱MRJ(2016年撮影) Photo:PIXTA

 E190-E2は低燃費かつ高性能なエンジン、整備の手間がかからないのがウリの小型機で、18年の発売以来、世界中で人気を集めている。座席数は106~114席と、エアバスA320やボーイング737シリーズよりも少ない。

 これまでANAは、世界初導入となったボーイング787をはじめ、次世代大型機であるボーイング777-Xなど最新鋭機材を完成前から導入表明し、話題を集めてきた。旧MRJに関しても同様のスタンスを取っていたのだが、開発撤退により完全に計画が狂ってしまった。

 気持ち新たにエンブラエルE190-E2を導入することで、国内線の低需要だがインフラとしては必要なローカル路線を維持する。エンブラエルE190-E2はそういった役割を担う意味でも、重要な機種だ。LED照明や電源コンセント、ネット接続機器などの最新設備で新たなサービスにも期待できる。

なぜボーイング787-9を追加する?
エアバスA350じゃダメなのか

 続いての注目が、ボーイング787-9の追加導入だ。すでに10年以上、ANA国内幹線と国際線の主力機材であるが今回、国際線用に18機を追加導入。ANAはその目的を「旺盛なアジア~北米間の需要や成田空港の再拡張を見据え」としている。一方、航空ファンの間では「老朽化したボーイング777-300ERの置き換えではないか」と指摘されている。