ANAの国際線でボーイング777-300ERや、国内線で777-300に乗ったことがある人なら、「この飛行機、ちょっと古い感じがするなあ」と思ったかもしれない。それもそのはず、それらは導入から20年以上が経過している。ANAは次世代機777-9で置き換え更新したかったのだが、ボーイングで相次ぐ品質問題や労働争議の影響で開発が遅れに遅れており、現在の受け渡し予定は26年となっている。

ANAが過去最多77機、2兆円の飛行機を爆買い!「超攻め」のウラにある狙いとはJALのエアバスA350 Photo:PIXTA

 翻ってJALは、国内幹線と国際線の主力機材としてエアバスA350-900を導入している。JALに続いてANAも、エアバスA350-900を導入する可能性はあるのだろうか?

 結論から言うと、筆者はノーと考える。エアバスA350は胴体が長すぎて、羽田空港の誘導路の関係上通行できない箇所が存在する。ANAが国際線で利用する第2ターミナルにはA350を駐機できないのではないかとみられるのだ。

 話を戻すと、中型機の787-9で大型機の777-300ERを置き換えるとなると、収容人数を削るか、座席間隔を狭めるしかなく、サービス面でのレベル低下が懸念される。

 他方、ANAは30年度にに向けて国際線の有効座席キロ(ASK、旅客輸送力)を23年度比で1.5倍にする方針。そのため、今回の787-9追加発注は、ANAが言うとおり成田発着の新たな路線展開を狙うのだろう。

 その場合、羽田空港に移管した成田〜ワシントン線や、運休中の成田〜プノンペン線などの再開が期待される。また、ナッシュビルやラスベガスなど北米の新たな都市への路線開拓もあるかもしれない。詳しくは過去記事『新しく「直行便」が飛びそうな海外都市ランキング【トップ9】ANAとJALはどこへ?ビジネス需要はある?』 を参照してほしい。

注目&疑問ポイント「LCCピーチがA321XLRを導入でバリ島やプーケットに路線開設か?」と「「ピーチがA321XLR導入ならエアージャパンの存在意義は?」を解説した『ANAの航空機「爆買い」のウラで傘下のLCCが…「バニラエア撤退」の二の舞はあるのか?』も併せてご覧ください。