次の段階が体外授精という治療方法だ。

 一般的な体外受精としては、「体外受精・胚移植」がある。女性の卵巣から卵子を採卵し、精子と合わせて受精卵にするんだ。これを培養したら、今度は子宮に移植するんだって。

 ところが最近は、さらに進んだ治療法を試すカップルも増えているらしい。

「近年、同じくらいよくおこなわれるのが『顕微授精(卵細胞質内精子注入法)』という治療方法。卵子と精子をただ合わせるのではなく、採卵した卵子に精子を直接注入するやり方です」

 詳しくはこうだ。

 まず、採卵した卵子を酵素処理。これを顕微鏡で観察しながら、精子を細いガラス針で注入する。男性の精子が少ない場合も受精が可能なので、男性不妊が原因の場合に行われることも多いんだそうだ。

 さらにその際、「凍結胚移植」という治療をおこなう場合もある、と松本さん。受精卵を冷凍保存し、その後、とかして子宮内に移植する。ここで登場するのが、さっき説明した「超急速ガラス化法」だよ。

 前もって受精卵をいくつか作り冷凍保存しておけば、いいタイミングを狙って移植できる。その分、妊娠のチャンスも増える。何度も採卵をおこなって身体に余計な負担をかけることもないしね。

 ちなみに「超急速ガラス化法」は、ウシの受精卵の保存にも使われている技術なんだって。

治療費は値上がり傾向に
ホテル住まいしながら通院する人も

 医療技術の進歩のおかげで、子どもを授かったカップルは増えている。生殖補助医療(精子や卵子などを体外に採取して治療する医療)によって生まれた子どもの数は、2010年までで累積27万人を超えた(日本産科婦人科学会調べ 2011年)。

 その一方、高額な費用に悲鳴を上げる人々もいる。松本さんたちの調査でも、「経済的な理由で次の段階に進むことをためらった、延期した」という人は81%にのぼっているよ。

 不妊治療のお値段は、一体いくらくらいなのか?