スカイマーク、コメダ、SBIアルヒ…PEファンドがIPOした企業の「株価騰落率ワーストランキング」!上位に入った“大撃沈”のPE銘柄とは?Photo:SIphotography/gettyimages

プライベートエクイティ(PE)ファンドのIPO(新規株式公開)銘柄は投資家から敬遠されがちだが、その株価パフォーマンスは一様ではない。特集『プライベートエクイティ 金融最強エリートの正体』の#7では、2015年以降に上場したPE銘柄を分析し、株価騰落率のワーストランキングを作成した。その結果、株価パフォーマンスの明暗がくっきりと分かれ、上場後の企業成長に対する姿勢の違いが浮き彫りとなった。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

PE銘柄の株価は案件別に明暗
騰落率ワースト1位は?

「投資家から『ファンド案件はIPO(新規株式公開)のときが一番高いでしょう』と言われますが、そんなことはない。われわれが会社に投資するとき、5年後に上場し、さらに10年後も成長していく姿を見ています。株価チャートを見れば分かります」

 プライベートエクイティ(PE)ファンドが保有株式を新規公開する、いわゆる「PE銘柄」の株価について、カーライル日本共同代表の山田和広氏はそう評し、自社案件に自信をのぞかせる(本特集#6『三菱、住友も対象に!?黄金期を迎えるPEファンドが「業界再編」を加速させる!カーライル日本代表が大胆予言』参照)。

 しかし山田氏も認めるように、PE銘柄は一般的に投資家から敬遠されがちだ。証券会社の間でも、PE銘柄は価格設定が高い傾向にあり、上場後の株価が伸び悩むとの見方が根強い。ある証券マンは「PE銘柄と聞いただけで門前払いの機関投資家もいる」と嘆く。

 そこでダイヤモンド編集部は、IPOのアドバイザリー業務を手掛けるSTJアドバイザーズの協力の下、PE銘柄の株価パフォーマンスを検証した。対象としたのは、2015年1月以降にIPOを実施し、24年3月25日以前に上場した56銘柄。これらのPE銘柄について、上場から1年後の株価騰落率ワーストランキングを作成した。

 その結果、56銘柄のうち31銘柄は株価が下落し、残る25銘柄は上昇していたことが判明した。つまり、PE銘柄の株価パフォーマンスが一律に悪いわけではなく、手掛けたPEファンドによって明暗が分かれているのが実情である。

「上場後の株価は、われわれの“成績表”だ」と語る山田氏。果たしてPEファンドが残した成績はいかに――。PE銘柄の株価騰落率ワーストランキングを、次ページで一挙に公開する。