こうした組織改革はコロナ禍をきっかけに加速しており、職種の多様化も進行している。
アルコールに限らず、無糖炭酸飲料「ウィルキンソン」のような新たなノンアルコール商品の登場により、飲料市場全体が変化している。アルコールとノンアルコールの境界が曖昧になり、より柔軟な提案と競争が求められる時代となっている。
一方で、国内市場は人口減少と高齢化の影響により、飲酒人口も減少傾向にある。特に50代、60代といった従来の主要消費層が年齢とともに酒量を減らしていることから、長期的には国内市場の縮小が見込まれている。
そのため、企業は国内における利益確保と新たな価値提案に加え、海外市場での売り上げ拡大を重要戦略として位置付けている。
海外展開の方法は企業によって異なり、現地製造や企業買収(M&A)を通じた展開が進められている。アサヒ、サントリー、サッポロ、キリンなどは、いずれもグローバル展開を視野に入れており、国内外で優秀な人材の確保を進めている。
特に英語力や異文化理解といったスキルは重視されており、海外経験を国内に還元する体制も整いつつある。
企業選びにおいては、保守的か革新的かという企業姿勢を見極めることが重要である。企業ごとに方向性が異なるため、入社後のキャリアや働き方にも大きな違いが生じる。
また、Z世代をはじめとする若者の価値観を理解し、製品開発やプロモーションに活かせる発想力・発信力が求められる。
たとえば、キリンが24年4月に発売した新ブランド「晴れ風」は、若手社員が中心となって開発したものであり、社会貢献と結びついた新しい試みだ。
購入によって地域の桜の木の保護や花火大会の資金支援につながる仕組みが取り入れられており、若者の自由な発想が生かされている好例である。
今後、企業はこのようなZ世代に向けたアプローチを強化し、社会的意義や挑戦の機会を提示することで、意欲ある人材の獲得を目指す必要がある。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。
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