公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング#9Photo:Wong Yu Liang/gettyimages

全上場企業の監査報告書に署名している公認会計士は2364人。本特集ではその公認会計士を対象に、個人でどれだけ監査報酬を獲得したかを調査。監査報酬獲得額を算出しランキングを作成した。特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』の#9では、ランキング完全版をお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)

2364人完全版を公開
名前の検索もできる!

 公認会計士の本業中の本業である上場企業の監査証明業務において、最も監査報酬を獲得した者は誰か――。

 それを調べるために、ダイヤモンド編集部は、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を、その企業の監査報告書に署名している会計士の人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べランキングを作成した。

 算出した監査報酬獲得額は、その監査を行った公認会計士の年収とは直結しない。監査法人にはそれぞれ報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。

 また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。子会社や拠点を多く持つ上場企業であれば、署名している公認会計士以外に、若手公認会計士や専門性を持つスタッフら数十人が関わっている。各公認会計士の監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。

 それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、署名した公認会計士は個人として、訴訟リスクや金融庁からの処分リスクを負っているためだ。

 ランキング上位者は、監査報酬を多く獲得した公認会計士というだけではない。監査法人にとっては、売り上げに大きく貢献する重要人物であり、監査報酬を多く払ってくれる上場企業を任せられる実力と経験のある信頼できるエースだ。企業に厳しい指摘をしても関係を維持できるバランス感覚の優れた公認会計士だともいえる。

 四大監査法人においては、トップである理事長や代表執行役に出世する条件は、監査報酬額の多い“ビッグクライアント”を担当した経験と、米国か英国への赴任だといわれている。つまり、ランキング上位で、海外赴任の経験がある公認会計士は、次のトップの有力候補でもあるのだ。

 次ページでは、全2364人のランキング完全版を公開する。お目当ての公認会計士がいるなら、検索窓に名前を入れて検索できる。本邦初のランキングをぜひご覧いただきたい。