「管理人さんのAI化」もあながち絵空事では……

 最近は、管理会社に支払う管理委託費の値上げもよく話題に上ります。世の中の物価の上昇率よりもマンション絡みの資材や人件費の上昇率の方がはるかに上回るからです。

 例えば、エントランスなどの自動ドアの値段はここ4年ぐらいで3〜4割上がりました。4年前には70万円で修理できたものが今は100万円が相場です。

 管理人の人件費も年々上がっています。厚生労働省によれば、東京都の24年の最低賃金は1163円で、前年から4.5%上がっているわけです。

 人手不足も深刻で、多くの企業が65歳までの再雇用を実施したことのあおりを受けて、管理人の募集をかけてもなかなか集まらなくなりました。

 最近は赤字を出してまで管理受託戸数を維持する必要はない、というコンセンサスが管理会社の間に広がりましたので、管理委託費が高いからといって、そうそう簡単にはリプレース(管理会社の変更)もできなくなりました。ある程度は管理会社の要求は聞き入れざるを得ないということです。

 とはいえ、一方的な値上げ要求をうのみにしないためにも、管理費の相場を知った上で交渉する必要があり、情報収集は大事ですね。将来的には、よほどの高級マンション以外は、コンシェルジュカウンターにAI(人工知能)を搭載した受け答えができるタブレット端末が置いてあるだけ――そんな風景が出現することになるのではないでしょうか。