アマチュアのトップゴルファーが大きなオープン競技で優勝したりすることも、めずらしくなくなってきた。政治のプロである人たちのなかにも、素人なみの失態をしでかす例も少くない。
しかし、野坂昭如(編集部注/1930~2015年。作家・歌手・作詞家。『火垂るの墓』で直木賞受賞)の「黒の舟唄」ではないが、プロとアマチュアのあいだには「深くて暗い河がある」のではないかと思う。
素人には素人の良さというものがある。プロにはプロの凄味というものがある。しかし、プロと称した瞬間から、人は深くて暗い河に漕ぎださなければならない。
その凄味は、汚れた水も清冽な流れも、ともに合わせて泳ぎ切る覚悟から生まれてくるのではあるまいか。
あんなふざけたタイトルを私が渡した心境の背後には、そんな気持ちがあった。本当は「やめろよ、歌なんか」と言いたかったのだ。
ちなみにB面のタイトルは、「やせがまん」だった。
曲は両方とも「ドラえもん」のアニメ歌の作曲者菊池俊輔さん。
私も小島さんも、ともに九州、福岡の出身である。会えば気軽に九州弁のなまりで喋り合う仲だった。
亡くなる前に会ったとき、「こんど娘たちも一緒に卓を囲みませんか」と言っていたのに、ついにその機会を逸したまま別れてしまったのは残念だ。
福岡県生まれ。中学卒業後、パン職人を経て雀荘にボーイとして勤務。のちに阿佐田哲也や古川凱章と出会い、「麻雀新撰組」を結成。タレントとしても活動し、「ミスター麻雀」として多くのファンに愛された。日本プロ麻雀連盟初代会長・最高顧問。
