子役・木村優来が言うセリフのトーンが抜群
来週からいよいよ今田&北村ペアが登場!

 登美子との再会に絶望した嵩は、海辺をとぼとぼ歩いて帰る。それにつけても御免与町と高知市内の距離が気になる。

 その頃、御免与町では、嵩がいなくなったと大騒ぎ。

 釜次(吉田鋼太郎)は嵩が屋村(阿部サダヲ)と何やら話していたと責めると、「好きな女に会いに行った」とケロリ。お母さんのことを「好きな女」と言い換えるところが屋村のおもしろいところ。それを聞いて、のぶ(永瀬ゆずな)は自分がハガキの住所に会いにいけばいいとけしかけてしまったことを猛反省する。

 寛(竹野内豊)は「いやあの子を信じて待とう」と静観の様子だが、昭和2年、歩いて帰ったら、日が暮れて危ないのではないか。このドラマでは御免与町と市内は意外と近いのか。

 くらとのぶは売れ残ったあんぱんを売りに行き、その足で、どうやら嵩を探しに向かったようだ。とぼとぼ帰ってきて、座り込んでしまった嵩に、あんぱんを差し出した。

 何も聞かず、ただ、あんぱんと水筒を差し出すくらとのぶ。

 きれいな夕焼けにあんぱんのきつね色がいっそう濃く映える。

 食べたら嵩はスタスタと歩きだす。

 そして、屋村にあんぱんのお礼を言う。そこで屋村が返す言葉は「ちゃんと金払えよ」。

 やたらとべたつかず、嵩に同情を見せないところが、『あんぱん』のいいところだ。

 そして、嵩は、母親がこの町を去っていく後ろ姿の絵を破く。

 こうして、母親への未練を吹っ切った嵩。御免与町で7年を過ごす。

 体の弱そうだった千尋(中沢元紀)に背丈が抜かれている。逆に、嵩より背が高かったのぶより嵩のほうが高くなって……。7年の間に変化が起きている。とはいえ、のぶは相変わらず元気いっぱいで、嵩を振り回しているようだ。

 来週からの今田美桜と北村匠海編。ふたりののぶと嵩を早く見たい。

 ただ、子役たちもよかったので惜しい。とくに嵩は、今回、母に会って千尋が母に会いたがっているから迎えに来たと言いながら、「本当のことを言うと僕のほうが」と本心を明かすときのセリフのトーンの落とし方が抜群だった。すばらしい芝居を見せての退場に拍手。

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