特に顕著なのが、Switch 2の外部ストレージとして採用された「MicroSD Express」の販売についてだ。

 Switch 2は外部ストレージとして従来のMicroSDは使用できず、通信速度が速いmicroSD Expressしか使用できないと発表されていた。Express規格のSDカードはもともと対応機器があまり存在せず、ニッチな商品であったことから市場の流通在庫はあまり多くなく、ニンテンドーダイレクトの発表後からECサイトでの品切れが目立つようになり、大手ECサイトのアマゾンでも自社販売分が売り切れ、マーケットプレイス事業者が高額で出品する例も目立つようになった。

 しかし、4月4日に任天堂はSwitch 2本体の抽選当選者に向けて1人1点限定でMicroSD Express 256GBを6980円で販売すると発表。これは売り切れ前の市場価格よりも安価であり、なおかつマリオの限定デザインも施されており、ここにもユーザーを大切にする任天堂の姿勢がうかがえる。

 これを受けて、Xを中心とするSNSでは、「Switch 2の本体を転売することが困難だと踏んだ転売ヤーがMicroSDを転売しようとして大失敗。大損こいてざまあみろ」という旨の言説が見られるようになった。

 具体的には「Switch 2で使用可能となるSDカードを転売目的で買い占めた転売ヤー、大損確定でメシが美味い」「転売ヤーが大損してるときにしか得られない栄養がある」などの書き込みが見られた。

 だが、本当に「MicroSD Expressに転売ヤーが手を出して大損した」のだろうか?

勝手に終わらせないで!
転売ヤーとの戦いはまだ始まってない

 転売ヤーは「儲かるかどうかわからないもの」にはあまり手を出さない。転売ヤーが主流としているのは、すでにプレミアがついている商品を人海戦術や複数アカウントを駆使して買い占める行為だ。

 そのうえ、抽選販売になっていることからもわかるように、初期に出荷される本体の数はあまり多くない。またSwitch 2の本体ストレージは256GBあり、大量にゲームソフトをダウンロードしない限りはすぐに外部ストレージが必要になることはない。また、何の対策もなくニッチな規格の外部ストレージを採用すれば、品薄が起こるということは任天堂側も把握していると思われる。まともな転売ヤーであれば、この程度のことはわかっているだろう。この状況で捌けるかどうかわからないMicroSD Expressを大量に仕入れるかというと疑問が残る。