男子を産めなければ皇室が終わる…
今の制度が悠仁さまに強いる重圧

 このように見てくると、政府、国会が「天皇陛下→秋篠宮殿下→悠仁殿下」という今の欠陥ルール(編集部注/現在の皇位継承ルールでは、皇位継承は天皇の血を引く男子に限られる。筆者はこれについて欠陥であると批判している)のもとでの皇位継承順序を固定化し、それを自明視・絶対視しているように見えることは、秋篠宮家の皆さまにとって迷惑このうえないことなのではないでしょうか。

 この順序は、令和で唯一の皇女でいらっしゃる直系の敬宮殿下を、ただ「女性だから」というだけの理由で皇位継承ラインからあらかじめ排除する、というアナクロニズムなルールを前提としています。

 このルールをそのまま維持すれば、どうなるでしょうか。悠仁殿下のご結婚相手は絶対に「男子」を産まなければ皇室自体を滅ぼす、という強烈なプレッシャーから逃れられません。それはご結婚そのもののハードルを絶望的なまでに高めかねません。

 めでたく結婚されても男子に恵まれるとは限らず、その場合に悠仁殿下が直面される事態の困難さは、いかばかりか。このルールが悠仁殿下の将来を不幸にしかねない、という懸念を秋篠宮家の皆さまは当然、抱いておられるのではないでしょうか。

 ですから、今の継承順序の変更をともなうルールの是正が秋篠宮家に非礼であるとか、お気の毒で申し訳ないとか考えるのは、上述の点と考えあわせて、とんだ見当違いではないでしょうか。

 そもそも秋篠宮家は、現代における普遍的な価値観というべき「ジェンダー平等」について、深い理解を持っておられます。生物的な性別とは区別される、文化的、社会的に形づくられた性差=ジェンダーを根拠とした不当な差別は撤廃されるべきだ、という理念です。

 ところが、今の皇位継承順序を規定しているのは、敬宮殿下が「女性だから」というだけの理由で皇位継承資格を否定する、まさにジェンダー平等の“対極”にあるルールです。

 秋篠宮家がジェンダー平等を重んじようとされていることは、さまざまな事実から知ることができます。

 よく知られているのは、佳子内親王殿下がガールスカウトの行事に毎年、ご臨席になり、挨拶をされてることでしょう。令和5年(2023)10月22日に行われた「ガールズメッセ2023」でも、次のようなメッセージを発信されていました。