学歴は「個性の一面」である
――なるほど。たしかにおっしゃる通りですね。ですが、それがどう個性と結びつくのでしょうか。
びーやま:もちろん学歴だけで個性が全部わかるということではありませんが、個性を知る参考情報にはなると思っています。
たとえば、「工学部情報学科卒です」と言われたら、その人が普通の人より機械やコンピューターなどの知識が豊富なのは容易にわかります。加えて、それが名門大学なのであれば、そのレベルが高いこともわかりますし、受験勉強を頑張ったということもわかります。
「どこの大学のどんな学部を出たか」という学歴情報だけで、
・どの分野に強いのか
・どのレベルで学んでいるのか
・どのくらい頑張れる人なのか
という意外と知るのが難しい情報があっという間に手に入ります。これらは本人に詳しく話を聞けば済む話のように思われがちですが、「僕は勉強も得意で、コンピューターに強いです」と言われるよりも、学歴のほうが客観的に判断することができますから、情報の信頼性も高いです。
ですので、学歴は「その人の個性の一部分を浮かび上がらせたもの」だと思うんです。その意味で、学歴は立派な個性なんじゃないかと。
――よく理解できました。学歴が「その人らしさ」を一定程度担保しているんですね。
びーやま:そういうことです。ですので、「学歴なんか関係ない! 個性を見ろ!」というのは的外れで、学歴も個性の1つなんだよと僕は思います。
そんな役割を持った学歴を極端に度外視するほうが、その人の一部分を「あえて見ません」と言っている行為な気すらします。
ほかにも、「大事なのは学歴じゃない! どれだけ努力しているかだ!」という人もいますが、その努力を可視化したものが学歴です。加えて、理系などの場合は学部で学んだことがそのまま将来に直結しますから、学歴が「努力の過程」の役割を果たしているという見方も十分にできると思います。「将来はエンジニアになりたいんで〇〇大学で勉強しています」というのは、立派な夢への過程ですよね。
学歴を嫌う人がいるのもわかりますが、一方でそれは合理的に考えなければかえって人のよさを否定していると思わざるを得ません。学歴だけがすべてではもちろんないですが、学歴だからこそ見えてくる個性というのは確実にあります。