また、「長距離なんかやってられない」と苦手意識がある人もいるでしょう。そういう人は遅筋より速筋メイン(=筋トレなど瞬発力重視)で鍛えるトレーニングが向いています。

 一般的には短距離タイプ、瞬発力がある人は速筋が、粘り強いタイプは遅筋が多い傾向にあります。ですから「自分は筋トレをするほうが楽しい」と感じるなら、おそらく速筋が発達しているのでしょうから、そのままウエートトレーニングに励んでさらに速筋を鍛えればいい。

 ジムに通わなくても、隙間時間にバーベルがわりに500ミリのペットボトルを持ち上げてもいいですし、エレベーターを使わず階段を駆け上がるような鍛え方でもいいですよ。

実はトレーニングに効く「乳酸」
単なる疲労の原因ではない

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 持久的トレーニングをすると、ミトコンドリアが活性化して脂肪がうまく使える体になると述べましたが、運動の強度を上げると血中の「乳酸」濃度が上がります。「乳酸」はかつて「疲労の原因」と言われたこともありますが、実はエネルギー源であり、トレーニング効果をもたらす物質であることがわかってきました。

 さらに、脳の働きにも良いのです。

 脳がブドウ糖をエネルギー源としているのは有名ですが、実際にはブドウ糖を乳酸に変えて使っているようです。ですから乳酸が血中にあれば、より脳にとって使いやすいということ。マウスの脳に乳酸を注射すると、記憶力テストが良くなるという報告もあります。

 シェイプアップの観点からも、「乳酸」は重要です。

「脂肪を燃やす」ことだけに着目すると、強度を上げない=持久力だけを重視した運動になりがち。それはそれで正しいのですが、本当は少し強度を上げた「ややきつい運動」も取り入れ、乳酸を発生させたほうがいいと私は考えます。

 乳酸は脂肪ではなく「糖」を使いますが、全身に糖が余っていると、やがて脂肪に変わって中年太りにつながってしまう。ですから糖を消費しやすい体にし、また運動強度を上げてエネルギー消費量やトレーニング効果も高めるという点で、乳酸が発生する「ややきつい運動」はお勧めできるのです。