偏食せず、食材に変化をつける
手抜きでも家電選びで差

(3)食材が偏らないようにする

 昔から、「○○は△△に良い」というのはできるだけ信じないようにしている、とおっしゃる輪湖さん。

「緑黄色野菜が体にいいといっても、緑黄色野菜の中にもそれぞれ良さがあるだろうから、できるだけいろいろなものを口にするようにしています」

 主菜の肉と魚の登場頻度は1対1くらい、と一般家庭より魚の登場頻度が多いのも特徴です。毎日飲んでいるというお味噌汁も、だしパックやにぼしの粉末を作り置きしたもので作っていて、毎食3種類以上の具を入れています。その具が、毎日異なるというのは、楽しみながらいただく工夫になっています。

(4)手抜きでも手作りにこだわる

「手抜きでも、手作りにはこだわる。短時間で作り、作り置きはしないようにする」。そう聞くと、すごく大変そうに思います。買い物にもこまめに行くのかと思いきや、週1回だと聞いて驚きました。

 忙しい中でこの生活にこだわれるのは、保存機能が充実している新しい冷蔵庫の存在も大きいようです。冷蔵庫はめったに買い換えるものではありませんが、チルド室が大きいもの、冷凍庫が大きいもの、など、ライフスタイルに合わせて、適当なものに切り替えるのはありかもしれませんね。

(5)体調や年齢による体の変化を把握する

 テニスを続けているため、体力の衰えなどは如実に感じる分、食べるときはしっかり食べるようにしているというのもポイントです。

「基本的な体調管理は必要。睡眠にしても食事にしても、ルーティンにしているルールやメニューがあります。それが崩れると体調もメンタルも崩れてしまいます」

 輪湖さんがルーティンにがんじがらめにならず、バランスを保てているのは、程よく力を抜いているからではないかと感じました。取材の際も、「ルーティンといっても、毎食果物を摂るのは食べ過ぎかもしれないわよね」「何かアドバイスあったら教えて?」と明るくお話されていました。その姿は、どこか肩の力が抜けていて、素敵だなぁ、と見惚れてしまいました。

 テニス以外のルーティンの運動に関しても、健康マニアだというご主人に筋トレメニューを組んでもらっているものの、疲れてその通りにはできない日もあるそうです。「そういう時は、回数は少なくても、ゼロにはしないようにしている」と言います。

 おしゃれも健康管理もバランスが大事で、“痩せるため”の食生活に終わらず、全体を俯瞰してみて、妙なこだわりを捨てることも大切なのかもしれません。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)