学歴が人を狂わせる理由

――あまりいいものではないですよね。

びーやま:そうですね。ただ、そうしてしまうほどに「学歴」は魔力のようなものを持っているんだと思います。

 もちろん、学歴だけで世の中やっていけるほど甘くはありません。僕も早稲田卒ですが、学歴で多少得することはあっても、人生に特大インパクトを与えるようなことはありません。

 ですが、自分が高学歴として扱われるような環境に行くと人は勘違いしてしまいます。それは「ハリボテなのにもかかわらず」です。

「エリートだね」と言われて嫌な人はいないですし、僕だったらものすごく気分がよくなります。

 なので、学歴に支配されてしまうことを肯定するつもりはありませんが、そうなってしまう気持ちはよくわかります。

――そうならないためにはどうしたらいいのでしょうか。

びーやま:たくさん方法はあるかと思いますが、1つは「自分よりすごい人」がいる環境に身を置くことだと思います。

 単純な方法ですが、自分が慢心しない環境に身を置けば、人は自然と努力します。自分の長所を伸ばし、自分に足りないものを考え、成長していくことができるでしょう。

 結局、世の中で活躍する高学歴な人たちは、どこまで意識しているかわかりませんが、「自分が成長できる環境」に身を置いているように感じます。

 たとえば、「学歴があることが当たり前」の環境であれば、学歴マウントを取ることなんてまずないはずです。きっと純粋な仕事の成果で勝負しようと思えるでしょう。

――びーやまさんもそうされているのでしょうか。

びーやま:そうですね。僕はYouTubeで活動をしていますが、インタビューさせてもらう人々の多くは僕より頭のいい大学生や高校生です。

 僕は自分の学歴に誇りを持っていますが、自分より若くて、自分より頭のいい人たちや、学歴以外でも当時の自分より考えている学生に会うと学歴で自惚れることはできません。「将来自分はこうなりたい」と宣言する若い人たちを見て、自分の身も引き締まります。

 なので、僕は僕なりの形で「自分よりすごい人」がいる環境に身を置いているつもりです。コラボする人たちも僕より頭のいい人たちばかりですし。

――「学歴があればいいわけではない」というのだけは変わらないですね。

びーやま:それは間違いありません。学歴はわかりやすい指標になるので、勘違いしやすいですが、結局はそれを生かすも殺すも本人がその後にどんな努力を重ねられるかなんだと思います。

 これだけ学歴社会なのに、最後は学歴で決まらないというのは、なんだかものすごく本質的でいいですよね。

――お話を聞かせていただきありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。