
デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)
ソニーは2ケタ増収、パナ、シャープは減収
決算でも明暗くっきり
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2024年10~12月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:17.7%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入4兆4096億円)
・パナソニック ホールディングス
増収率:マイナス1.3%(四半期の売上高2兆1526億円)
・シャープ
増収率:マイナス7.4%(四半期の売上高5615億円)
総合電機業界の主要3社では、ソニーグループが前年同期比で増収、パナソニック ホールディングスとシャープは減収だった。
四半期増収率に差がついた3社だが、25年3月期第3四半期(累計)の決算の内容を見ても、明暗が分かれる結果となった。
ソニーグループは増収増益だ。営業利益、純利益ともに約2割の増益となっている。また純利益の予想も大きく上方修正することになった。
パナソニック ホールディングスは増収、営業利益は増益だが、純利益は2割超の減益だ。シャープは減収、前年同期に赤字だった営業利益は黒字となったが、前四半期に黒字化していた最終利益は再び赤字に落ち込んだ。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、“三社三様”の決算となった背景を見ていこう。