また、たくさんの英単語を覚えるためには、まず英語を好きになる、もしくは好きだと思い込むことも有効です。映画やドラマなど、自分の好きな、興味が持てるものの英語コンテンツに触れることなども、言語との親密度を上げる良い方法です。

 日本のマンガなどは、英語版で本が販売されているものもあるため、英語と“親しくなる”ためには、そういったものを利用するのもひとつの手だと思います。

名前は覚えているのに
人の顔が思い出せない理由

 名前は聞いたことがあるけど、顔が思い出せない。もしくは、顔は頭の中に出てきているのに、名前が思い出せない……ある程度の年齢になると、そういった経験を幾度となく重ね、記憶力が落ちたと嘆く方も多いかもしれません。なぜこういったことが起こるのでしょうか。

 そもそも、顔と名前では脳の「記憶する場所」が違っています。顔はイメージ記憶に分類されますが、名前は言語記憶です。どちらかしか思い出すことができないというのは、言語記憶とイメージ記憶、2つの情報に関連性があることを脳が認知できていないという現象が起こっているせいです。

 まず、顔を覚えるためには、自分の目でその人の顔を見たあと、頭の中でもう1度「見る」ことが効果的です。写真などでもかまいません。

 視覚系脳番地や聴覚系脳番地といった入力系の脳番地は、その入力情報から離れると、使う脳番地が変わります。頭の中でもう一度見る時には、連動して記憶系脳番地も働きます。

「さっき見た顔はこうだったな」と思い出すたびに記憶系と視覚系が同時に働くため、無意識に記憶が強化されていきます。

覚えておきたい電話番号を
記憶する方法

 今や電話番号や住所といった連絡先は、すべてスマートフォンやパソコンに保存されていて、覚える必要がなくなりました。

 しかし、スマートフォンは電源が切れることもあります。また、緊急時に家族や友人などに連絡する手段が公衆電話しかないこともありえます。そういった時にひとつでも電話番号を覚えておくことは、大きな安心に繋がります。

 若い頃に覚えた友人宅の電話番号や、仕事でよく使う電話番号などをいくつか覚えていて、未だに思い出せる、という人もいるでしょう。これはよく使っていた数字の羅列を脳が親密度の高い情報として認識し、長期記憶に保存しているからに他なりません。

 アナログな方法ではありますが、よくかけるという電話番号であれば、自分で番号を打って電話をかけることを、1日1回1週間続けてみてはいかがでしょうか。

 とはいえ、私自身も自分の妻の携帯番号を未だに覚えられていないのですが……。