グラフから読み解く
投資で失敗しないための「3つの鉄則」
まずは、こちらのグラフを見ていただきたい。金融庁のNISA特設サイトに掲載されているものだ。

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2003年1月から毎月1万円を株式指数に20年間積み立て投資した場合のシミュレーション例で、黄色の面が積み立て元本、青い折れ線は日本株の指数である日経平均株価、赤の折れ線は全世界株式の指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)だ。
20年間の投資元本240万円に対し、世界株に投資をしていたら690万円、日本株なら443万円になっていた(税金、手数料は考慮せず。指数に投資をしたと仮定したシミュレーション)。大きく増えていることがわかる。
しかし、ここで重要なのは240万円が690万円や443万円に増えたことではない。20年間の投資成果は、投資をはじめた時期により金額が異なるので、あくまで参考例として見ておこう。
このグラフからは、「投資で失敗しない3つの鉄則」を読み解くことができる。
◆投資で失敗しない鉄則その1
大暴落があっても、びっくりして売ってはいけない
グラフを見ると、2008年末から数年間「元本割れ」をしていることがわかる。これは2008年9月に起こった「リーマンショック」による世界的な株価下落によるものだ。
リーマンショックの頃は「毎日、毎日株価が下がり続けるのが怖くなり、全て売却しました」と相談に来る人が多かった(売る前に来てほしかったと何度思ったことか)。
株価大暴落があっても、びっくりして売ってはいけない。売ると損が確定するからだ。
景気はいい時も悪い時もある。金融政策はその時々の景気状況を判断して決められる。景気や金融政策などの影響を受けて、株式市場も循環するので、暴落しても売らずに株式市場が好調になるまでじっと待つのが鉄則だ。
多くの専門家が「長期のスタンスで投資を」と言う根拠である。