◆投資で失敗しない鉄則その2
大暴落があっても、積み立てをストップしない

 暴落時に狼狽売りをしなくとも、積み立てを中断する人を見かける。「株価が下落しているから積み立てはお休みして、回復したら再開するつもり」という声をよく聞く。

 これも「やってはダメなこと」である。

 積み立て投資の別の言い方は「定時定額購入」。毎月、決まった日に同じ金額で買い続ける行為のことだ。株価が下がった時は高い時よりもたくさんの口数の株を買うことができ、反対に株価が高い時は買える口数は減る。

 つまり、下がった時に口数を多く買っておけば、その後、株価が上昇した時にお金を増やすことができる。

 先のグラフでは、2013年ごろからグッと資産が増えているが、株価暴落の後、積み立てをストップしていたら、この運用結果にはならない。積み立てを継続したからこそ、お金を増やすことができたのだ。

 株価が下がった時には「たくさん買うことができている」と考えるといい。

◆投資で失敗しない鉄則その3
積み立ての効果は5年くらい待つのを覚悟する

 グラフを見ると、「全世界」も「日経平均」も積み立てを開始してから3年間くらいほとんど増えていないことがわかる。積み立て投資をスタートした時期や、その後の値動き、投資対象によっても違うが、3~5年程度は大きな利益が出ないケースが多い。

 株価がいい時期にも、悪い時期にも機械的に毎月定額を購入していくので、すぐには投資効果が出にくい。このことをあらかじめ知っておけば「積み立て投資とはすぐに増えないものなのだ」と心安らかでいられる。

積み立て開始1年のものは元本割れ
それ以前に買ったものは利益確保

 トランプ米国大統領の関税政策による株価の乱高下が毎日のように続くので、自分が保有する投資信託の運用成績を確認してみた。

 NISAが拡大したことをきっかけに、昨年1月から新たに積み立てで買い始めたものは日経平均株価に連動する投資信託で、案の定、元本割れをしている。

 考え方を変えれば、株価が安い時期にたくさん口数を買うことができているので、中長期的に見ると増える可能性は大きいということ。老後が楽しみだ。

 5年以上前に購入した投資信託は、どれも運用益はプラスのままだ。大暴落がはじまる前に比べると、運用益は少し減っているが、損をしているわけではないので、「大勢に影響はない」とゆったりした気分でパソコン画面を見ていられる。

 株価乱高下のニュースを目にすると、心がざわつくのは当然だ。ただし、「投資で失敗しない3つの鉄則」を知っておけば、狼狽売りをせずに、下げ局面で買い続けることができる。お楽しみは少し先にやってくると期待して待つことにしよう。