そうすると、商品・サービスの「提供価値」がクリアになってきます。
その商品・サービスを使うと、コストが下がるのか、売り上げが増えるのか。コストが下がる場合は、どういうコストが、なぜ下がるのか。売り上げが増える場合は、どのような理由で売り上げが増えるのか、というお話です。
あなたの提案に従えば、顧客の先にいるお客様(エンドユーザー)の見込客がこれまでよりも多く集まるのでしょうか。一度来た人が、また来たいと思うようになるのでしょうか。エンドユーザーが一度に買う量が、今までよりも増えるのでしょうか。年間契約、サブスクリプション契約などの魅力に気づいてくれるのでしょうか。
あなたの取り扱う商品・サービスが、どういう効果をもたらし、顧客が求めるビジネス上の成果実現に「役立つ」のかを考え、それを伝えていくことになります。
また、そうした話を顧客としようとすると、事前準備が大切です。自社の商品・サービスに対する理解を深める必要もありますし、顧客企業あるいは部署の状況も把握しておかねばなりません。
まさに、「ペースノート」づくりをするわけです。
これをしっかりやることが、「助手席に座る覚悟」です。覚悟を決めて隣に座ることで、一緒に目的地を目指すパートナーになれるのです。
上司は、部下にとっての
良きナビゲーターであれ
さて、ここまで「営業の振る舞い方」に関して考えてきましたが、社内メンバーに対しても同じことがいえます。
若手社員と仕事をする場合、最初は上司が車(つまり、プロジェクトや案件)を運転することになるでしょう。しかし、それを続けていては、いつまでたっても車が1台だけしか稼働しません。あるタイミングで、部下が運転する車の隣に座る必要があります。
上司は助手席に座り、部下が成長していくことを見守るべきです。また、助手席から適切なアドバイスを送らねばなりません。
そのためには、部下がどのような目標を持ち、その目標のために部下自身が何をしないといけないのかを把握し、彼自身が進む道に関する「ペースノート」を作っていくことが求められます。
部下の代わりに運転するのは簡単ですが、それでは部下は育ちません。
ナビゲーターとして、部下を、そしてチームをしっかり導いていくように心がけましょう。