運転する女性と助手席に座る男性写真はイメージです Photo:PIXTA

優秀な営業パーソンの共通点とは何でしょうか。それは、「助手席に座る」ことです。これは実際に車に乗る時の座席ではなく、比喩の話。助手席に乗る時にすべきことを考えると、おのずと営業パーソンに必要な力が見えてきます。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

デキる営業マンは
「助手席に座る」

 優秀な営業と、そうでない営業は、何が違うのでしょうか。

 この違いは、相手との関係性、位置取りの違いだと私は考えます。デキる営業マンは助手席に座るのです。

 といっても、実際に自動車を運転する時の話ではありません。

 いや、もちろん、「部下や同僚が運転する車の助手席に座って訪問までの準備をするんだ」とか、「タクシーの助手席に座って、道を間違えないように指示するんだ」とか、いろいろなテクニックはあるのかもしれませんが、今回は、もっと比喩的なお話です。

 そう、デキる営業マンは、お客様の「心の助手席」に座るのです。

助手席=ナビゲーターシート
顧客や同僚を導く存在

「ラリー」という自動車レースをご存じでしょうか。山道や狭い道を猛スピードで駆け抜けて、タイムを競うレースです。

 整備されたサーキットとは違い、高速で走ることを想定されていない場所を爆走していくわけですから、非常に危険ですし、なによりも「コースを覚えることが困難」という特徴があります。

 次に、どんなカーブが来るのか。曲がった先は、どういう道路状況なのか。そうした情報が分からないと、激突や横転、転落といった事故につながります。

 それを防ぎながら最速で駆け抜けるために、ドライバーの隣、助手席に座る人がいます。それが、ナビゲーターです。助手席は、ラリーの世界では、ナビゲーターシートと呼ばれます。

 カーナビという言葉もありますが、ナビゲーターは、道案内をする役割、導く役割です。

 ビジネスにおいて、この役割を担うことができれば、お客さまに限らず、上司や同僚、部下らの信頼を得ることができます。