今の時代、受験の情報格差もない
――教育的な観点はよく理解できたのですが、やはり名門大学に進んでほしいと親御さんが考えた場合は、「それでも中高一貫に入れたい」となるのではないでしょうか。
びーやま:そういうご家庭があるのもわかりますし、その判断も否定しません。
ただ、同時に公立高校からも名門大学は目指せるというのも頭の片隅に入れておいていただきたいとも思います。
公立高校は勉強の成長ペースが普通以下の人たちにとって最適な場です。小学生のときは勉強に対しての意識はそうでもなくても中学・高校で伸びるタイプの人はたくさんいますが、そういった人は公立高校でも十分に名門大学を目指せます。ましてや各地方のトップクラス校だったりすれば東大だって夢ではありません。
――たしかにそうですね。とはいえ、情報格差などはありそうですが、その点はどうでしょうか。
びーやま:多少の差はたしかにあるかもしれませんが、実は今の時代、受験における情報格差はそこまで大きくないのも事実です。これだけのネット時代となると、名門中高一貫だけが知っている情報というのは多くなく、誰だってその気になれば、名門大学合格に必要な情報はすぐに手に入ります。
加えて、オンラインで予備校の授業も受けられますし、書店には合格に必要な参考書も揃っています。
その意味では、かつてに比べてかなり受験の情報格差はなくなったと思います。
しかも、忘れてはいけないのが、大学受験のいいところはペーパーテストでいい点数さえ取ればそれ以外のことは一切見られないことです。中高一貫出身だからテストで加点されるわけでもないですし、公立高校出身だから減点されるわけでもありません。あくまでテストの点数だけです。一般受験であれば「人柄や育ちで落とされる」なんてことはまずありません。
その意味では、大学受験時にどの高校に通っているかは合否に直接関係ないので、自分が勉強しやすい環境にいることが大事なんじゃないかなと思います。
――じゃあ、名門中高一貫か地元の公立高校かはそこまで関係ないということでしょうか。
びーやま:ぶっちゃけてしまえば、そうだと思います。なので、有利か不利かという観点ではなく、合っているかどうかという判断が大事なんじゃないかなと思います。名門中高一貫が合っているという人ももちろんいると思いますし。