「株で1億円」を作った億り人から投資の極意を学びたい! 個人投資家のペータさん(40代)は現在、資産2億円を突破している億り人。元手500万円で投資をスタートし、割安株投資でコツコツ増やしたペータさんの手法はとてもシンプル。会社勤めをしながら1億円を達成したペータさんに投資法手法を教えてもらおう。また、4月のトランプ関税ショックでぺータさんが実際に行なった、「対処策」も初公開!(ダイヤモンド・ザイ編集部)
「株主優待」目当てに株への投資を開始!
リーマンショック時は1000万円以上マイナスに

個人投資家のペータさんが投資を始めたのは2003年。会社員だった当時、お金を使う暇もないほど仕事に忙殺される日々を送っていたところ、入社3年目で貯金が500万円に達していた。そこで何気なく目にした「株主優待」に惹かれて全日本空輸(現ANAホールディングス)を買ってみたという。
「株価が上がって利益が出ることがうれしくなり、投資に夢中に。給料も悪くなかったので、最初の数年は年200万~300万円を投資に回しました」
株主優待株に加え、多忙なペータさんが実践したのは、値動きが成長株ほど激しくなく、株価を頻繁にチェックしなくても済むと言われる“割安株投資”。「PER(株価収益率)10倍以下、PBR(株価純資産倍率)1倍未満」「大型優良株」を選び、「株価2~3割上昇で利益確定」「配当は再投資」という売買ルールを決め、これをひたすら続けたという。当時買っていたのは大手商社やメガバンクだ。
徐々に資産が増えてくると、3~5つの“勝負銘柄”に500万~1000万円ずつ集中投資するスタイルに。この集中投資によって、少しの値上がりで増える金額がグッと大きくなり、資産増加のスピードが加速していったという。
決めた売買ルールを守りつつ、集中投資を続けていると、アベノミクスの大上昇相場が到来。その波にも乗り、何より、自分が決めた売買ルールを守りながら投資を続けたペータさんは、投資開始から16年後の2019年に1億円を達成した。

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ただ、その途中で手痛い失敗も経験している。
「2009年のリーマンショック時は1000万円以上資産がマイナスになり、えらい目に遭いました。保有株の株価が下がっただけでなく、そのときほとんど手元に現金がなかったので、トヨタ自動車や三菱UFJFGのような超優良株が暴落していたのにそこで全く買うことができず、資産回復に苦労しました。この教訓から、暴落に備えて常に現金を持つようになりました。少なくとも資産の10%程度は現金にしています。最近は暴落がちょくちょく起きますから、買付け余力を持っていることはものすごく大事だと思いますよ」
1億円達成後も大型割安株投資を継続し、2023年3月には2億円を突破したペータさん。ところが、この頃から“異変”が起き始めたという。
「東証がPBR是正を要請した結果、割安に放置される大型株が激減してしまったんです」