3行とも早慶がトップ2
私大、国立大の比率に差
24年のランキングでは、3メガバンクとも早慶が再びトップ2を独占した。
中でも三菱UFJ銀行と三井住友銀行で慶應義塾大学が1位となり、前年に引き続き強さを見せた。一方、みずほフィナンシャルグループ(FG)では早稲田大学が巻き返して1位を奪取した。
早慶はメガバンクに安定して多数の人材を輩出しており、特にみずほFGは早慶の合計採用数が200人超と圧倒的だ。
三菱UFJ銀行のランキングを見ると、3位の京都大学(21人)の他、大阪大学(19人)、名古屋大学(15人)、東京大学(14人)、一橋大学(11人)、神戸大学(10人)などがランクインしており、国立大学の色が強い。
みずほFGは、国立大は大阪大学(31人)のみで、他はすべて有名私立大学のMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)や関関同立のうち同志社大学、立命館大学がランクインしている。私大志向が強く、国立大の採用比率が相対的に低い。
三井住友銀行も国立大が5校ランクインしているものの、それらを押えて関西学院大学(25人)と同志社大学(23人)が3位と4位、青山学院大学(21人)が7位にランクインしており、私大と国立大の比率は三菱UFJ銀行とみずほFGの中間といえる。
銀行が地域商社や農業に参入
生き残りをかけたイノベーション
銀行業界は現在、ネット銀行など新興勢力の台頭に加え、長引く低金利や人口減少といった構造的な課題に直面しており、経営の厳しさを増している。
こうした中、各銀行が生き残りをかけて取り組んでいるのが「イノベーション」だ。しかし、その実現には従来の金融業務の枠を超えた新たな挑戦が必要とされる。
実際に、地域商社や農業など金融以外の事業に参入する地銀が増加しており、多様なビジネス展開が模索されている。
スタートアップ支援に特化した投資組合を設立するなど、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を活用した取り組みも活発化している。「金融に強い総合サービス業」という将来像を掲げ、業界内で注目を集めている銀行もある。