万人受けする塾はない
入ってみなければわからない
しかも、各塾にはそれぞれターゲットとしている層があり、その塾の特色や指導方法が自分の子どもに合うかどうかは、実際に通ってみないとわからないことが多いものです。説明会では塾講師は当然、保護者の耳に心地よいことを言いますし、入る前にすべてを見抜くのは非常に難しいことです。
子どもたちの個性はひとりひとり違います。兄弟姉妹でも性格や学習スタイルは異なりますし、家庭環境も様々です。共働きなのか、介護をしているのか、家の造りはどうなのか、復習をどうやるのかなど、実際に通い始めてから見えてくる課題もあります。
また、同じ大手塾でも校舎によって雰囲気や指導スタイルは大きく異なります。単純に校舎の規模の大きさによる違いもあります。大規模校舎なら20ほどのクラスがあり、様々なレベルの子どもたちがいるため選択肢が多い半面、先生との距離を感じることもあるでしょう。小規模校舎ならアットホームな雰囲気の中で学べますが、クラス替えによるシャッフル感が少なくなります。
また、塾選びでは意外と「お友達問題」も重要です。成績を知られたくないから小学校の同級生と一緒はいやという子もいれば、知り合いがいる方が安心できる子もいます。大手塾なら、家から近い校舎に行くと小学校の友達がたくさんいるため、あえて少し遠い校舎を選ぶ家庭もあります。
塾の規模だけで判断するのも危険です。「大手塾は、各クラスの平均レベルに合わせた授業をするので、子どもが合わせるのは難しい」「個別指導塾だから寄り添ってくれる」といった先入観は必ずしも正しくありません。大手塾でも校舎によっては非常に面倒見が良かったり、逆に個別指導塾でも対応がドライだったりすることもあります。
塾選びを始める際には、まず複数の塾の説明会に参加してみて下さい。通える範囲の塾を全部見たとしても、多くても10校程度です。説明会では、その塾の指導方針や特色、カリキュラムなどの基本情報を得られるだけでなく、先生たちの雰囲気や教室の設備なども総合的に確認できます。
同じ塾でも校舎によって特色や雰囲気は大きく異なります。大手塾でも校舎ごとに売上目標があるため、校舎長や教師陣の方針によって指導スタイルが変わることも珍しくありません。可能であれば、検討している塾の複数の校舎を見学し、比較してみることをお勧めします。