内容的にも経済的にも
オーバースペックになりすぎないように
塾選びで陥りがちな落とし穴の一つが、「オーバースペック」の問題です。特に熱心な保護者ほど、子どもの学力向上のためにと様々な教材やコース、オプション授業を追加してしまいがちです。
しかし、まるで「課金ゲーム」のように次々とサービスを追加していくことは、必ずしも子どものためになるとは限りませんし、こうした経済的負担は家計を圧迫するだけでなく、「これだけお金をかけているのだから」と保護者の期待値も上がり、結果として子どもへのプレッシャーが増大することにもつながります。
悪くすると、親が子どもを責めるようになったり、親子の信頼関係が損なわれたりすることもあります。
実際、多くの塾では様々なオプションを用意しています。講習会や特別講座、個別指導、オンライン学習など、選択肢は豊富です。こうしたサービスはそれぞれに価値があるものの、すべてを詰め込む必要はありません。お子さんの学習状況や性格、目標に合わせて必要なものだけを選ぶことが大切です。
特に注意したいのは、「本人がギリギリで回している」ような状態です。例えば、週4回家庭教師を付けなければその塾についていけないような状況は、明らかに塾がオーバースペックです。
基本的には、小学4年生、5年生の時点では、学校生活や家庭での時間、習い事など、バランスの取れた生活を送ることが最も重要です。この時期はまだ中学受験の土台作りの段階であり、過度な詰め込みは逆効果になることが多いのです。
なお、6年生の秋以降は、受験に向けた最終調整の時期として、ある程度のオーバースペックも許容範囲と言えるでしょう。この時期に限っては、後悔しないよう様々な施策を打つことも一つの選択肢です。
また、塾選びでは「どの塾が最高か」という問いよりも、「どの塾のいいところを我が子が何パーセント吸収できるか」という視点で考えるべきです。大手塾のいいところを吸収できる子は大手塾に行けばよいし、中堅塾のいいところを吸収できる子は中堅塾に行けばいいのです。
お子さんの様子をよく観察しながら、柔軟に塾選びを行って下さい。
