無課金は疲れるだけ…東京ディズニー「家族で80万円」出費も!「プライベートVIPツアー」の正体東京ディズニーシーにて。映画「アナと雪の女王」のキャラクター、エルサ(左)とアナに扮(ふん)したキャスト Photo:JIJI

ディズニー高額化にメリットはあるのか

 東京ディズニーリゾートの入場者数は減っているのに(24年度は2755万8000人、過去最高は18年度で3255万8000人)、運営会社オリエンタルランドは過去最高の業績(売上高6793億7400万円、営業利益1721億1100万円、いずれも24年度)をたたき出しました。

 勝因は、客数を絞って客単価を上げる戦略に転じたこと。14年度には1万955円だった客単価は、24年度には1万7833円にまで上がりました。まさに資本主義全開です。

 東京ディズニーリゾートが高額化したメリットを、あえて考えてみましょう。次の3点が挙げられます。

 第1に、昔は長蛇の列を耐え忍ぶしか攻略法が無かったのが、おカネがある人なら課金することで苦痛な時間をカットできます。

 第2に、それほど高額な課金はできない人にとっても、高額化して入場者が減れば全体的な待ち時間が短縮される可能性があります。ただし、新規アトラクションやショー・パレードは相変わらず大人気で、無課金ならば長時間待つしかないのが実態ですが…。

 第3に、昔から一般的な理屈として、従業員にとって高級店ほど客層が良く(嫌な客は少なく)、気持ちよく働ける。逆に客層が悪い店は、従業員が苦労し離職率も高いと言われています。この理屈が東京ディズニーにも当てはまるなら、キャストにとって高額化は客層がより良くなることにつながります。ゲストにとっても、客層が良いことはメリットでしょう。