「夢の国」+資本主義の仕組みを学ぶ場へ

 コロナ禍の収束以降、オリエンタルランドの収益が爆上がりな理由が、実際にパークに行くとよく分かりました。今後もこうした課金システムは、より工夫され高度化されていくと推測します。VIPツアーもより洗練されていくでしょう。

 東京ディズニーリゾートはある意味で、資本主義を学ぶ場になったとも言えます。子どもが人生の早い段階で資本主義の仕組みに気づき、自身の経済力を上げるべく努力するならば、親にとっては良い効果ではないでしょうか。

 大人にとっても、「いつかVIPツアーに行ってやる!」と仕事に燃えるのは良いことかもしれません。

 最後に、筆者が最も印象に残ったことを紹介します。親世代が若かった頃と今を比較して、子どもたちの待ち時間の態度が全く違うということです。今どきの子はスマホやNintendo Switchなどの画面を見ていて、そちらに集中しているのです。

 Z世代やα(アルファ)世代が大人になったとき、果たしてディズニーランドは今ほどの人気を維持しているのか、疑問に思いました。わざわざ足を運ぶよりも、個別にYoutubeやゲームを楽しむほうが、ラクだし脳内アドレナリンが出るかもしれません。

 親は子どもを人気アトラクションに乗せようと、かなり前から予約し、当日は朝から並んでいるのにもかかわらず、子どもはディズニーのコンテンツよりもYoutubeやゲームの方が面白いようなのです…。

 とはいえ、Youtubeやゲームのおかげで子どもは待ち時間にぐずらず、アトラクションの体験中はさすがに楽しんでいるようでしたが…。

クルーズ船のイメージ図の前でポーズをとるミッキーマウス、オリエンタルランドの吉田謙次社長、高野由美子会長、加賀美俊夫取締役会議長、ニューエクスペリエンスポートフォリオ兼ディズニーシグネチャーエクスペリエンスのトーマス・マズルームプレジデント、ディズニー・クルーズラインのシャロン・シスキーシニアバイスプレジデント、ミニーマウス日本でクルーズ事業にも参入する。(左から)ミッキーマウス、オリエンタルランドの吉田謙次社長、高野由美子会長、加賀美俊夫取締役会議長、ニューエクスペリエンスポートフォリオ兼ディズニーシグネチャーエクスペリエンスのトーマス・マズルームプレジデント、ディズニー・クルーズラインのシャロン・シスキーシニアバイスプレジデント、ミニーマウス Photo:SANKEI