為替市場25年上半期の意外な勝者「スウェーデンクローナ」、独走の理由と下半期の見通しは?Photo:Anadolu/gettyimages

2025年上期の通貨パフォーマンス
1位はスウェーデンクローナ

 今年(2025年)前半の通貨パフォーマンスをみると、G10通貨と呼ばれる取引量の多い10通貨(ドル、ユーロ、円、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、ノルウェークローネ、スウェーデンクローナ)の中で、ドルが全面安となっている。

 ドルが全面安となる中、対ドル上昇率トップ3は、スウェーデンクローナ(+16.1%)、スイスフラン(+12.6%)、ノルウェークローネ(+12.4%)である(6月24日時点)。ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化、トランプ関税を受けた世界的なリスク警戒の高まりから、これら3つの欧州通貨は逃避通貨としての役割が強まっている。

 スウェーデンクローナは、1月13日に1ドル=11.3223クローナのクローナ安を記録したが、その後はクローナ高基調が続き、6月12日には22年4月以来約3年ぶりのクローナ高となる9.3792クローナとなった。スウェーデンクローナは対円でも上昇し、2月3日に付けた1クローナ=13.74から6月17日には昨年7月以来のクローナ高となる15.32に達した。

 一般に逃避通貨として知られているのはスイスフランだが、スウェーデンクローナがスイスフランを抑え上昇率1位となったのはなぜだろうか。以下では、スウェーデンクローナが今年上期に上昇した理由と、下期の見通しについて考えていく。