金(ゴールド)価格は史上最高値の更新が続き、この10年で約3.5倍に。しかも、今後さらに上がると見ているプロは多い。そこで今回は、金が上昇している背景をわかりやすく解説。今後の値動き予測や、これから金を買うときに注意したい点なども取り上げるので、投資の参考にしてほしい!(ダイヤモンド・ザイ編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年8月号の「金は投信で税金ゼロで買え!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

金はさまざまなリスクの備えになる安全資産!
インフレや国際情勢の緊迫化などが上昇加速の要因

 近頃、金価格が飛躍的に上昇している。金に詳しいストラテジストなどのプロ複数人に話を聞くと、状況的に見て金の需要増は始まったばかりであり、「金の上昇トレンドは長期で続く」(楽天証券経済研究所の吉田哲さん)といった声が多い。

 マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎さんは、投資先としての魅力向上を指摘する。「世界の金の取引量は1日2200億ドル。これは、米国債の取引量より多い。中国では生命保険会社の運用先としても認可されるなど、投資家の参入が増えています」(亀井さん)

 上の図は、これまでの金の値動きと、プロによる今年後半の予測レンジをまとめたもの。この半年の上昇ペースが速かっただけに一度調整もありそうだが、年末には高値へ向かうと予測するプロが多かった。ピクテ・ジャパンの塚本卓治さんは「3000ドル付近まで下がると買いたい投資家が多いので、下値は底堅い」と予測する。今後は、個人投資家も金への投資を意識したほうがよさそうだ。

 日本貴金属マーケット協会の池水雄一さんは「最高値圏の今だと、買いづらい人もいるのでは。金は値動きが比較的荒く、買いタイミングの見極めは困難なので、積立投資がおすすめ」とアドバイスする。たしかに、一気にまとめて買うのはリスキー。買うタイミングの分散は必須だろう。