サンクコストとは、すでに投資した時間やお金、努力のことです。こうした自分が費やしたコストを無駄にしたくないという気持ちが、意思決定に影響を与えることをサンクコスト効果といいます。

 たとえば、高額なチケットを買ってコンサートに行く予定だったのに、当日体調が悪くなったとします。多くの人は、チケット代が無駄になるのは嫌だから、体調が悪くても行かなければならないと考えるでしょう。これがサンクコスト効果の一例です。

 このサンクコスト効果を読書に応用することで、読書を習慣化することができます。

 具体的には、次のような方法が考えられます。

1 高価な本を買う
2 読書用のツールに投資する
3 読書の時間を確保する
4 読書の目標を設定する

 まず、高価な本を買うことで、サンクコスト効果を得ることができます。

 安い本なら読まなくてもいいと思ってしまうかもしれませんが、高価な本なら読まないと買った意味がないと感じるはずです。

 次に、読書用のツールに投資することも効果的です。

 たとえば、高級な読書灯や、良い香りのするブックマーカー、高価な読書用メガネなどを買うことで、読書への意欲を高めることができます。

 また、読書の時間を確保することも大切です。

書影『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 ディスカヴァー・トゥエンティワン)『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 毎日1時間の読書タイムを設けたり、週末の午後を読書の時間にしたりと、読書の時間を予め確保しておくことで、サンクコスト効果を得ることができます。

 さらに、読書の目標を設定することも効果的です。

 たとえば、1カ月に5冊の本を読むという目標を立てたとします。目標を達成するために本を買ったのに、読まないと買った本が無駄になってしまうと感じ、実際に積読が解消されたという実証実験の結果もあります。

 ただし、サンクコスト効果を得るためには、適度な投資が必要です。

 高すぎる投資は、逆に読書へのプレッシャーになってしまう可能性があります。自分に合った適度な投資を見つけることが大切です。